高血圧の基準値は上記の様にしてあるが、これは医者や製薬会社が勝手に設定しているのではなく、色々な疫学研究の報告で決定している。我が国では福岡県の久山町の研究が古くから行われていて有名だが収縮期圧120mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満の人たちの心臓病や脳卒中などで死亡率が最も低くなっている。下図は私の自費出版本6頁である。
高血圧は我が国を初め世界全体のガイドラインは140/90mmHg以上を基準としている。家庭血圧は135/85mmHg程度が基準となる。当然血圧は1日のうちで変動するので、自宅で測定する血圧が常に収縮期圧が135以上、拡張期圧が85以上ある人は食生活(塩分6g程度で野菜類を多く摂取など)に注意し、肥満の人は減量するなど心がける。適度な運動やストレス発散も必要。
左図は左心室圧と大動脈圧を示す。収縮期初期には僧帽弁が閉鎖するが、この時に心臓のⅠ音が聞こえる。ドックン、ドックンの初めのドッという音。
拡張期血圧(最小、最低血圧とも言う)は心臓が拡張した時の血圧、。心臓の拡張末期は殆ど圧力は0に近いが(4mmHg程度)上腕動脈では大動脈弁閉鎖により血液がプールされるので0に近くは無い。心室(左心室)圧と大動脈圧の曲線を下に示す。
血圧の単位はmmHg。水銀の比重はおおよそ13.6なので血圧100mmHgは13.6×100=1360cmの水圧と同じ事。約1.4m/㎠の水を上げる力がある。
収縮期血圧(最大、最高血圧とも言う)
は心臓が収縮して血液が上腕に送られるが上腕での圧。左心室の収縮期圧とほぼ同じ。