初診で来院された場合、自宅に血圧計がある人の場合には(上腕で測定するタイプが良い)、1週間程度朝、昼、夕の3回程度測定してもらって記録してもらう。減塩しても血圧の下降が余り見られない人もいるが基本的には減塩(6g)が良い。その他肥満気味の方は減量。ストレスのある人は発散!(と言っても仕事上の事など難しいこともあるが)、運動(いわゆる有酸素運動)などを薦める。ただし、既に明らかに血圧の高い人は運動はリスクがあるので注意が必要。血圧コントロールしてからという事になる。

a)高血圧の治療
病気の解説
①高血圧
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血圧が200mmHg以上あっても全く頭痛など無い人は沢山いる。長い間高血圧の方は体が順応しているだけである。「脳出血などのリスクが高くなりますよ」と言っても聞く耳を持たない人もいる。以前、生命保険会社に勤務していたが、会社に出向いて保険加入者の診察をしていた。50才くらいの男性であったが血圧が220/120mmHgあり、何度測定しても下降しなかったので「病院にいって治療してもらった方が良いですよ。」と注意したが、「以前から高いが症状も無いから治療の必要は無いよ!」の一点張りだった。その1週間後に脳出血を起こし、左上下肢の片麻痺となったという情報を保険の営業の人から聞いた。ちなみに上記のような高血圧の人は保険に加入できない。高血圧の程度によっては保険料が高くなったりするが加入できる場合もある。

降圧薬は一度服用し始めたらやめられないと良く質問されるが、これは高血圧の患者さんはいわゆる本態性高血圧の方が多いので服用を中止すると高くなるからである。食生活の改善、運動などで血圧が下降してくれば降圧薬の減量をして最終的には薬が不要になることもある。

②SU薬

お茶(カテキン)、酢、ゴマなどには血圧を上げる物質をブロックする働きがある。ただし、作用は強くないので過信は禁物。血圧低下させるメカニズムは少し難しいが、簡単に言えば次のようになる。腎臓から血圧を上げる素になるレニンという物質が分泌される。これは例えば腎臓を流れる血流量が低下すると分泌が多くなる。腎機能が悪くなると高血圧になるのはこのレニンが関係するのも一因。このレニンが分泌されるとアンギオテンシンⅠという物質が分泌される。アンギオというのはangioで血管のこと。テンシンはtensionという事で血管を緊張させる昇圧物質であるが昇圧作用は弱い。このアンギオテンシンⅠが分泌されるとアンギオテンシンⅡが分泌される。アンギオテンシンⅠよりアンギオテンシンⅡのほうが昇圧作用は強い。お茶のカテキンはこのアンギオテンシンⅠがアンギオテンシンⅡに変化するのをブロックする作用がある。このアンギオテンシンⅠ→アンギオテンシンⅡに変換する酵素はアンギオテンシン変換酵素と呼ばれる。降圧薬としても使用されるが「アンギオテンシン変換酵素阻害薬」と呼ばれる。酢やゴマにもこの作用があるが、降圧薬ほど強くない。アンギオテンシンⅡは副腎に作用してアルドステロンを分泌させる。このアルドステロンも昇圧作用がある。以下にレニン・アンギオテンシン系の簡単な図を示す。

病気の解説

アンギオテンシンⅡはアンギオテンシンⅡ受容体に結合してアルドステロンを分泌。この部分に作用する降圧剤がアンギオテンシン受容体ブロッカー(ARB)であり、かなり多く使用されている。ジェネリックも多い。

お茶(カテキン)、ゴマなどはここをブロックするが効果は弱い。降圧剤ではアンギオテンシン変換酵素阻害薬がある。レニベース、エナラプリルなど(咳嗽の副作用あり)。

高血圧サプリは色々ある。以下に紹介するが降圧薬ほど効果は期待できないが、試してみても良いかもしれない。食物などの成分から抽出されているものも多いので、これらの食物を摂取するのも良いかもしれない。以下に示す食品(サプリ)はお茶(カテキン)などと同じで軽度のアンギオテンシン変換酵素阻害作用を持つ。

サプリに関しては私自身も何でも試してきたので、抵抗は無い。患者さんから質問のあったサプリに関しては上記の様な類いのものであれば「服用しても構いませんよ」と説明する。出所の分からないサプリを時々見かけることもあるが(中国の商品など)、記載事項がはっきりしないものや不適切な添加物、薬品が混入している場合は当然服用するのを控えるよう指示する。降圧剤を服用せずにすめば、医療費の削減にもつながるので結構な事だと思う。私は勤務医の経験しか無いので医薬品の使用や色々な検査に関しては、出来るだけ少なくするように心がけている。


上記の様に私自身もサプリなど興味があるので殆どテレビ、新聞、雑誌などで紹介されるサプリは一度は試してきた。しかし、そんなに効果の無いものもかなりある。「え○き○」など目に良いなどと言っているので試したが(大抵1ヶ月くらい服用してみるが)全く効果が無かった。シジミエキスなども同様。シジミ自体に種々のアミノ酸が含まれていて体には良いだろうが服用したからと言ってテレビCMのように「元気が出ます!」という事は全く無かった(当たり前のことだが)。そもそも、こういった類いのCMは「個人の感想です」等といった表現を入れれば何でもあり、の風潮にはうんざりする。
全国新聞の1面広告など1000万以上はするのだろうが、売れれば良いといった事でもあるまい。また、小○製薬などのテレビCMでは例えば皮膚病変(ニキビの類いなど)をCGでイラストを入れて、さも直るように表現するのも、如何なものか。きちんと消費者庁などこんなCMは誇大広告として調べてもらいたいものだと感じるが。

a)高血圧の治療
⑤鎮痛薬
①BG薬
b)降圧薬
②糖尿病
⑦利尿剤
ジェネリックについて
③ACEI
⑤鎮痛薬
④βブロッカー
①Ca拮抗薬
経口血糖降下剤
a)糖尿病の治療
⑥αβブロッカー
②ARB

特定保健用食品(トクホ)で現在許可されている食品は血糖値、脂質体脂肪、お腹の調子、肌の乾燥、歯茎の健康、骨粗鬆リスク低減など色々ある。

サプリ(健康食品などとも呼ぶが)の他に保健機能食品と呼ばれる類いの食品があるが規格が紛らわしい。審査や届出不要の①栄養機能食品や消費者庁に届出る必要のある②機能性表示食品、表示される効果や安全性について国が審査を行い消費者庁が許可する③特定保健用食品(いわゆるトクホ)などがある。以下少し詳しく解説する。

左記の食品などを基本にしたサプリが色々販売されている。詳細は国立・健康栄養研究所の「健康・栄養食品の安全性・有効性情報」というHPを参考にすると良い

①高血圧
④消化性潰瘍治療薬
①BG薬
③DPP4阻害剤
②糖尿病
⑤αブロッカー

アンギオテンシン変換酵素

アンギオテンシンⅡ
アンギオテンシンⅠ
レニン
アルドステロン