先発はレニベース。ACE阻害薬の中ではこの薬が最も使用されているのではないだろうか。最初のACE阻害薬はカプトリルである。1981年に米国スクイブ社が発売。その後第1三共が我が国では初めてACE阻害薬を1983年から発売した。カプトリルには縁があって、大学病院研修医の時に下記論文を執筆している。
アンギオテンシン変換酵素
その他、ブラジキニンはブラジキニン2受容体(B2受容体)に作用して、腸管、
気管支、子宮などの平滑筋を収縮させる。
文字が小さくて読みづらいと思うが自費出版本(トップにある)をクリックして、462頁に記載しているので興味ある人は読んでみると良い。カプトリル発売前はSQ14225という名前で治験が行われていた。1981年の第3相試験頃に使用した。
ブラジキニンは既知物質で最も強い発痛作用。
2.5,5.10mgの3種類があり1日1回5~10mg使用と記載。成人の1日最大投与量の記載がインタビューフォームやその他に記載が無い。小児には1日10mgが最大投与量との記載はある。
(Enalapril maleate)
ARBより先にACE阻害薬が発売されている。咳嗽が添付文書では2%程度とされているが、実際は20%程度との報告がある。私自身はACEを余り使用しない。つい先日も紹介先から処方されていたが、数週間後に頑固な咳嗽が持続し、ACEをカットした。
ACEI(Angiotensin Cnverting Enzyme Inhibitor)
アンギオテンシン変換酵素阻害薬は上図のアンギオテンシンⅠ→アンギオテンシⅡの部分に作用する。アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡに変換するのにアンギオテンシンⅠ変換酵素が働く。アンギオテンシンⅠにも血圧上昇作用はあるがアンギオテンシンⅡの血圧上昇作用は強い。
(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)
アンギオテンシン変換酵素阻害薬はブラジキニンの分解を妨げて、ブラジキニンの増加→気管支平滑筋収縮などによる咳嗽出現となる。アンギオテンシン変換酵素は下に示すが、キニナーゼⅡと同じ。
左図はレニベースの血中濃度を示すが、4時間程度で最大血中濃度に達する。
先発のレニベース2.5mgの薬価は約32円。ジェネリックは19社ほどが販売しており、約1/3の10円程度。尚、先発のレニベースの名称はレニン(Renin)のReni、血管拡張のVasodilationのV、アンギオテンシン変換酵素のAngiotensin Cnverting Enzyme(ACE)を組み合わせて、命名されている(インタビューフォームより)。