病気の解説
③ACEI
自費出版本
②SU薬
⑦利尿剤
病気の解説
トップ
①Ca拮抗薬
⑤鎮痛薬
①BG薬
ジェネリックについて

(Nicardipine hydrochloride

②ARB
②糖尿病
b)降圧薬
①高血圧
⑤鎮痛薬
①BG薬

(Azelnidipine)

a)高血圧の治療
①BG薬
降圧薬について

8,16mgがあり1日の最大投与量は16mgである。

第1世代のニフェジピン(アダラートが先発)、ニカルジピン(ペルジピンが先発)は作用持続時間が短かったが上記の様に徐放タイプの薬が開発されている。第2世代の薬は第1世代より作用持続時間が長くなっている。更に長くなったのがアムロジン、カルブロック、などの第3世代ということになる。第2世代にはニバジール(一般名ニルバジピン)、バイミカード(一般名ニソルジピン)、カルスロット(一般名マニジピン塩酸塩)、コニール(一般名ベニジピン塩酸塩)などがある。その他にも7種類程度の第2世代薬がある。私は第2世代の薬は余り使用していない。

①Ca拮抗薬
③DPP4阻害剤
a)糖尿病の治療

古くからある薬で先発品はヘルベッサーであり、1974年に我が国では発売された。降圧薬としての作用はジヒドロピリジン系より弱いので狭心症薬として使用する事が多い。ニフェジピンが頻脈になるのに対して、これは洞結節や房室結節などへの影響で徐脈傾向になりやすい。ヘルベッサー錠とヘルベッサーR(カプセル)があるが、いずれも徐放タイプ。

先発のカルブロックは8mgで32円程度。ジェネリックは12社ほどが販売していて、大凡半額の14~16円程度である。

2.5,5.10mgの錠剤があり、通常は1日1回2.5~5mgを朝食後服用させるが成人の場合は1日10mgまでの投与が可能。先発品はアムロジン、ノルバスクという商品名だが、ジェネリックは驚くほどの数が販売されていて(数十社以上)値段も安いのから少々高いものまで様々である。
薬価は次第に安くなっていくが、現在先発の2.5mgが26円程度でジェネリックの安いのは半額程度の14円。ジェネリックの薬価は販売会社が多いほど(10社以上)安くするような設定になっているが概ね先発品の50%が目安となっている。ちなみに、私は以前はジェネリックを使用するのに抵抗があったが、最近は基本的にジェネリックは受け入れることにしている(世の中の流れは医療費削減でもあるので)。

①アムロジピンベシル酸塩(Amlodipin 先発品はアムロジン、 ノルバスクなど。第3世代の薬。第1世代の薬はニフェジピンなど。

カルシウム拮抗薬にはアムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピンなどのジヒドロピリジン系とジルチアゼム、ベラパミルなどのベンゾチアゼピン系の2種類があり、どの薬も徐放薬タイプがあるので(アムロジピンはそのものが徐放タイプ)、徐放薬を使用することが多い。徐放薬薬がゆっくり吸収されて長時間血中濃度を維持できるので、1日1回の服用OKということになる。コントロールが悪ければ朝1回の服用量の増加、或いは朝、夕の2回投与や他の作用機序の降圧剤を併用することになる。徐放薬で1日1回で済ませればいわゆる服薬コンプライアンスも向上することになる、というわけである。

血管平滑筋拡張作用は冠動脈>末梢血管なので狭心症などにも良く使用される。40年前の私が研修医の頃にはカルシウム拮抗薬はジルチアゼム(ヘルベッサー)とニフェジピン(アダラート)の2種類程度しか無かった。現在はこれらの徐放錠が出ているが当時は徐放タイプでは無かった。ニフェジピンは降圧効果は強かったが(カプセルの中にドロドロとした液体として入っていた)、かなりの頻度で動悸を訴える人が多く、私はヘルベッサーを良く使用していた。高血圧性緊急症に対して、このニフェジピンカプセルの内容物を舌下させていたが、現在は他剤を使用出来るため、この治療法は高血圧治療ガイドラインでは推奨されていない;禁忌(動悸や過度の血圧低下を起こす恐れがあるということで)。

高血圧の治療でも解説したように、降圧薬は服用したくないという人もいるが、塩分制限、体重減少、適度な運動、ストレスの発散などを試みても血圧が自宅で測定すると常に135/85mmHg以上(病院などで測定する場合には緊張等するので140/90mmHg以上)の場合などは降圧薬の使用を考慮する。

④消化性潰瘍治療薬
②糖尿病
経口血糖降下剤

(Diltiazem hydrochloride)

(Nifedipine)

(Amlodipine besilate)

ヘルベッサーは1974年に発売開始されたが、その後徐放錠としての開発が行われ2005年に再承認を受けている(インタビューフォームより)

40mgを1日2回投与すると24時間有効血漿中濃度が得られる、とインタビューフォームに下図が載っているが1日1回投与に関しては記載が無い。1日1回投与ではこれもやや心許ないか?

血中濃度は上記の様に緩やかに上昇して下降する。口腔内崩壊錠はOD錠とも呼ぶ。OD(Oral;口腔 Disperse;分散させる)。血中濃度は上記を見ると、ややOD錠の立ち上がりが遅いが概ね同程度の血中濃度で水で服用する必要が無いので高齢者には使用しやすい。最高血中濃度到達時間は約6時間程度。

アダラートCR10mgの薬価は17円程度(薬価はだんだん安くなっていくが)。ジェネリックはアムロジピンより少なく10社程度(撤退する場合も多い)が販売しており概ね半額程度の8円程度。ちなみにジェネリックの場合には一般名に自分の会社名を「」内にいれて表記することが多い。例えば、沢井製薬ならニフェジピンCR錠10mg「サワイ」、日医工なら「日医工」、ニプロは「NP」と表記している。全星薬品はニフェランタンCR10mgという名前を付けている。私は販売している薬品名が何故、その名称になっているのかが気になる時には薬の「インタビューフォーム」を見る事にしている。これは現在はネットでも見ることが出来る。添付文書より詳しく開発、製造されるまでの過程などを見る事が出来る。これによるとニフェランタンの名称はニフェジピンのニフェと、薬が提灯(ランタン)状に溶解するためらしい。

左図はヘルベッサーR100mg(カプセル)の血中濃度。最大血中濃度は約14時間である。

薬は体にとっては異物であるので、分解して体に出す必要がある。肝臓にあるシトクロムP450というのがこの働きをする。この中でも重要な働きをするのがCYP3Aである。シトクロムP450は薬を酸化させて薬の形を変化させ水に溶けやすくする。正確にはシトクロム酸化酵素ということになる。水溶性にする事で体外に出しやすくするためである。薬物代謝の80%程度をこのシトクロムP450が行っている。シトクロムはcytochromでcytoは細胞の意味。英語の発音はサイトクロームだが、シトクロムやチトクロムなどと呼ばれる。チトクロムはドイツ語読み。CYP3Aは最初のCYPの部分を通称シップと呼ぶ。chromはギリシャ語の色に語源を持つ。染色体はchromosome.。

左図はカルブロック8mg投与時の血中濃度である。既に皆さんよく御存知だと思うがカルシウム拮抗薬服用時にグレープフルーツジュースで服用すると血中濃度が高くなり最大で3倍程度高くなることがある。これは肝臓にあるCYP3Aという薬を分解する酵素を阻害するため。

血中濃度は1時間程度、6時間程度の2回2峰性ピークを示す。12時間目は最高血中濃度の半分以下となる。

②ニフェジピン(Nifedipine;ジヒドロピリジン系第1世代)
現在はニフェジピンの徐放錠を使用するのが一般的。先発品はアダラートCR、アダラートL。アダラートCRのCRはControlled Releaseの意味 (インタビューフォームによる)。アダラートLのLはLong Actingの意味。

←はピリジン骨格

ベンゾチアゼピン系よりも、こちらの系統の薬がカルシウム拮抗薬としては多く使用されている。

(calcium channel blocker ,calcium channel antagonist)

カルシウム拮抗薬は血管平滑筋細胞へのカルシウム流入を抑制して血管拡張作用を示す。

降圧薬は現在5種類ほどあるが、我が国ではカルシウム拮抗剤やARB(アンギオテンシン受容体ブロッカー)の使用頻度が高い。利尿薬(サイアザイド系など)の系統が安価であり海外では良く使用されるという記載を時々ネットで見かけるが、尿酸値が高くなる副作用他の理由で、私は第1選択剤としては使用しない。降圧効果の得られない時に少量併用の形で使用することはある。カルシウム拮抗剤の中ではアムロジピンなどが比較的副作用も少なく、軽度高血圧の場合には2.5mgを1日1回朝投与してみる。ジェネリックも数多く出ており2.5mgで1錠10~15円程度である。ちなみにサイアザイド系利尿薬としてはフルイトラン(一般名トリクロルメチアジド)があり1mg使用するとして1mg1錠はジェネリックで6円程度である。降圧剤は以前は朝、昼、夕食後の3回投与が多かったが、現在は血中濃度が緩やかに上昇して比較的長時間血中濃度を保つことが出来るので朝1回投与とすることが多い。早朝高血圧等の程度が強い場合には夕にも追加投与することもある。

⑥αβブロッカー
④βブロッカー
⑤αブロッカー

先発のヘルベッサー錠30は1錠が12円程度。ジェネリックは現在6社ほどが販売しており、半額の6円程度。尚、社会保険研究所発行のジェネリック医薬品リスト(平成29年8月版)を見ると、販売している6社以外の2社が販売を中止している。ジェネリックの場合は結構販売中止になることがある。

30,60mgの2種類があり、成人の1日最大投与量は180mg。

上図はヘルベッサー錠60mgの血中濃度3~5時間で最大血中濃度。半減期は約4時間半。単回投与での24時間後の血中濃度はかなり低い。

インタビューフォームによると、Herz(ドイツ語の心臓をの意味のヘルツ)と良くするというドイツ語のbessern(ベッセルン)を組み合わせて、心臓をより良くするという意味で命名されている。ヘルベッサーRのRはRetardで遅らせるという意味。

先発のヘルベッサーRカプセル100mgは約41円。ジェネリックは4社ほどから発売されていて一番安いのは半額以下の13円である。

徐放錠のヘルベッサーRには100、200mgがあり、1日最大投与量は200mg。

左はジアゼピン(diazepine)骨格。2つの窒素原子をもつ7員環の複素環式化合物。降圧薬分類にベンゾジアゼピン系と記載してある医学書籍をみるが(治療薬マニュアルなど)、ベンゾチアゼピンと記載してもらった方が良いような気がするが、、。

左はチアゼピン(thiazepine)骨格。7員環の中の1つの炭素原子が窒素原子(N)に置き換わるチエピンの置換体。ベンゾチアゼピンは、この環にベンゼン環(C6H6)が結合している。

ベンゾチアゼピンと聞くと、抗不安薬のベンゾジアゼピンと混同する人がいるかもしれないが、降圧薬のベンゾチアゼピン系はthiazepineであり、抗不安薬のベンゾジアゼピンはdiazepineである。

第3世代には既に記載したアムロジピンの他にカルブロック(一般名アゼルニジピン)がある。

ペルジピンLA20mgの薬価が大体16円程度。ジェネリックは半額以下の6円程度が多い。このジェネリックは製造会社が数社しか無い。私も殆ど使用したことが無いが、あまり売れないのだろうか?

第1世代のジヒドロピリジン系降圧薬。先発品はペルジピン(降圧薬として使用するときは徐放薬のペルジピンLAを使用することが多い。LAはLong Acting。カプセルタイプである。

20、40mgの2種類があり最大投与量は1日80mgまで・。

ペルジピンの名称の由来はインタビューフォームによると「特になし」と素っ気ない。

アダラートCRは10,20,40mgの3種類があり成人では1日最大80mgの投与が可能。アダラートLは10,20mgの2種類があり、1日最大40mgまでの投与が可能。

アダラートLの血中濃度はアダラートCRと異なり最大血中濃度は3時間程度でピークを示すのみである。アムロジピンやアダラートCRは最大血中濃度に達した後24時間でもその半分程度の血中濃度を示すが、アダラートLは12時間後でも血中濃度は半分以下になるので徐放錠としては1日1回では少々心許ないか?

上記血中濃度を見ると3時間目に最大血中濃度があるが(アムロジピンより最大血中濃度到達時間が早い)、その後12時間目にも次の血中濃度上昇が見られる。これは薬が2層構造になっていて(有核2層構造という)薬が早く溶ける部分と遅く溶ける部分に分かれているため。40mg投与の方が良くわかる。20mg投与は上記を見ると3時間以降は比較的安定した血中濃度を維持している。