SU剤(スルフォニル尿素薬;Sulfornylureas)。
膵臓のβ細胞を刺激してインスリンを分泌する。したがって膵機能の極めて低下している状況では効果が期待できにくい。これは他の経口血糖降下剤も同じ。Ⅱ型糖尿病でも膵機能の低下の著しい人はインスリン皮下注射が必要となる。SU剤は最初の経口血糖降下剤であるが、その歴史は腸チフスの治療薬として使用されたサルファ剤(Sulfonamide)に由来する。したがってSU剤は以下に示す図のスルホニル基を持つ。1955年にドイツの2つの製薬会社が1956年にトルブタミド(BZ55)を開発したのが最初の経口血糖降下剤である。

この薬は第1世代と呼ばれるSU剤でありその後グリベンクラミド(先発オイグルコン)などの第2世代が開発された。第2世代の血糖降下薬は血糖降下作用が強い。現在は第3世代と呼ばれるグリメピリド(先発アマリール)が開発された。第3世代の血糖降下作用は第2世代より強いが、そのインスリン分泌促進作用は第2世代のグリベンクラミドより弱い。第3世代のグリメピリドの血糖降下作用はインスリン分泌と肝臓、末梢でのインスリン感受性改善作用によると考えられる(インタビューフォームより)。
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病気の解説
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講義スライド

先発はアマリール。ジェネリックは26社もの会社が発売している。0.5,1,3mgの3種類が発売されている。また、各製剤ともOD錠があり、ジェネリックでも6社がOD錠を発売している。通常は少なめの0.5mg程度から投与開始する事も多いが(低血糖リスクを考えて)、血糖値によっては1mgの1日1回朝食後(或いは朝食前)の投与とする。血糖のコントロールが悪い場合には朝夕の2回或いは毎食後(或いは食前)の3回投与も可能。成人の一日最大投与量は6mgとなっている。

スルフォニル基

a)高血圧の治療

SU薬は以下の図に示すように膵臓のインスリン分泌を促進させる。

最大血中濃度到達時間は各錠剤によって、やや異なるが約1時間程度。半減期も各錠剤で異なるが、1~2時間程度と比較的短い。

①高血圧
②糖尿病
②SU薬

薬価は0.5mgの場合先発のアマリールが1錠9.9円。ジェネリックは9.6円となっていて余り差が無い。1mgだと先発が17円、ジェネリックが9.9円と安くなる。3mg錠だと先発が40.1円、ジェネリックが半額程度の17.1~21.6円程度。ちなみに先発のアマリールの名称由来は「特に無し」だそうで(インタビューフォームより)素っ気ない。何かしらの意味があって付けているのだろうからもう少し解説しても良かろうと、どんな言葉でも語源の気になる私にとっては少々不愉快。私は語源が気になる時はネットのWebio等でとことんまで調べる。最近は良く個人でも調べている人がいて感心する。

b)降圧薬
③DPP4阻害剤

(Glimepiride)

②糖尿病

上の構造式は第3世代のグリメピリド(先発アマリール)。同様に赤楕円はスルフォニル基。第2世代のグリベンクラミド構造式の左右両方にたCH3等が結合して出来上がっている。

①BG薬
経口血糖降下剤
a)糖尿病の治療
②糖尿病
ジェネリックについて
⑦利尿剤
⑥αβブロッカー
⑤αブロッカー
④βブロッカー
③ACEI
④消化性潰瘍治療薬
②ARB
①BG薬

上の構造式は第2世代のグリベンクラミド(先発オイグルコン)。赤楕円内に
スルフォニル基がある。

①Ca拮抗薬
⑤鎮痛薬
①BG薬
②SU薬